TT9 とは?
TT9スケール:1/120 縮尺で、 9mm 幅の線路を走行する鉄道模型です。
「9mm幅線路」と言えば、日本で代表的な鉄道模型【Nゲージ】がありますが、【TT9】はNゲージとは縮尺が異なる、まったく別の「鉄道模型」です。
世界基準で言えば、TTゲージ=1/120・12mm 線路,N ゲージ=1/160・9mm 線路 となります。 これは世界の鉄道での「標準軌間」= 1435mmを基準にして、スケール=模型の「軌間寸法」(9mmや16.5mmなど)が決まり、 車体も同一スケールで模型化されている「規格」です。
日本の場合、明治以来の在来鉄道の多くは「狭軌」 = 1067mmを採用しており、
後年の新幹線や一部の民鉄が「標準軌」 = 1435mmを採用したという事実があります。
世界規格の「Nスケール」で模型化した場合、標準軌の新幹線はそのまま 1/160・9mm 線路となりますが、狭軌の在来線は、1/160・6.6mm 線路ということになります。
そこで、世界中で流通する「9mm幅の線路」を上手く活用するために、日本型Nゲージは、車体のサイズを少し大きめにして、線路幅との縮尺の乖離を小さくしてバランスを取ることにした、 「在来線 = 1/150 スケール・9mm 線路」という決まりを作り発展してきました。 本来 1/150 なら軌間は 7.1mm ですが 9mm 線路を利用、そして新幹線と在来線はその車体のスケールを異にすることにより、まったく同じ「9mm 幅」の線路上を走ることになります。
【TT9】はその「9mm 幅線路」と「在来線線路幅」のスケール、9:1067=1:119、を逆手にとって、 車体も線路とほぼ同一のスケール、1/119≒1/120として模型化する規格です。 従って、日本の在来線車両の特徴的「内股風」プロポーションや、車体に対してかなり幅の狭い線路、そして「線路に対して相当に大きい車体」といった、 日本の在来線独特の雰囲気が非常に実物に近い形で再現できることになります。
実際には線路は「Nゲージ用」を流用しますが、元々1435mm × 1/160 を基準に設計されている線路はレールのゴツさも相まって、TT9 の方により似合っていると感じます。 特に、KATOのユニトラックなどは道床もかなり大きめに作られています。 また、Nゲージ線路の枕木の寸法や枕木間隔(ピッチ)なども実物の 1/120 縮尺の甲線用線路としてほぼスケールに近くなっています。